10月22日に神宮道で観覧した時代祭。
維新志士列が通過した後は、徳川城使上洛列と江戸時代婦人列から構成される江戸時代の行列がやって来ます。
徳川城使上洛列
江戸時代の旗を先頭にゆっくりと行列が近づいてきます。
江戸時代の最初の行列である徳川城使上洛列は、徳川幕府が、朝廷の重要な儀式などに将軍の名代として親藩または譜代の大名を城使として上洛させたときの様子を再現したものです。
徳川城使上洛列の前の方を進むのは、長持のお兄さん方。
時々止まって踊り出すのが人気です。
踊り終えると、「えいっさー、ほいっとさー」と長持を担いで走って行きますよ。
長持の後ろからは、挟箱、毛槍、大鳥毛、台傘、立傘を持ったお兄さん方の列が登場します。
行列が止まった時に毛槍を投げ渡す芸を披露してくれます。
私の近くでも、毛槍を投げ渡す芸を見せてくれました。
沿道から、大きな拍手が贈られます。
徳川城使上洛列は、荷物を持った人たちがたくさん登場します。
実際の大名行列も、荷物を運ぶのが大変だったでしょうね。
江戸時代婦人列
徳川城使上洛列の次は、江戸時代婦人列の登場です。
江戸時代に京都で話題となり活躍した女性で構成されています。
先頭を進むのは和宮(かずのみや)です。
幕末の孝明天皇の妹で、朝廷と幕府が協力し合う公武合体を実現させるため、14代将軍徳川家茂に嫁ぎました。
和宮が通過する際は、雅の音楽も流れますよ。
和宮に続いて、大田垣蓮月(おおたがきれんげつ)がやって来ました。
幕末の女流歌人で、後に出家し蓮月と称しました。
京都市北区の神光院には、彼女が晩年を過ごした茶室が残っています。
大田垣蓮月の次は、玉蘭(ぎょくらん)の登場です。
画家の池大雅の妻で、和歌とともに閨秀画家としても有名です。
江戸時代婦人列に登場する祇園梶女は、玉蘭のおばあさんにあたります。
玉蘭の次は、中村内蔵助(なかむらくらのすけ)の妻です。
中村内蔵助は、京都銀座で巨万の富を築いた商人で、彼の妻は、当時の衣装比べで抜群の称賛を得たとされています。
続いて祇園梶女が通過した後、吉野太夫がやって来ました。
名妓として知られる六条三筋町の芸妓で、後に灰屋紹益の妻となった女性です。
北区鷹峯の常照寺は、彼女ゆかりのお寺です。
吉野太夫の後、出雲阿国が登場し、江戸時代婦人列は終了しました。
この後は、豊公参朝列がやって来ます。